Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

二流会?

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東京二期会の公演だったが、けっして「一流」とは言いがたい公演だった。
まず、プロンプターの存在は重要だとは思うけど、あれほど目立つプロンプターをいまだかつて経験したことがない。気にならないといったらウソになるなどというレベルをはるかに超えて、気になりすぎてノイローゼになりそうなレベル。いかに原語(チェコ語)上演だからと言って…あれは酷すぎやしないか。それとも、たまたまよく聞こえる席(2階最後方)だったのだろうか。いずれにしても興醒め以外のなにものでもなかった。
次に、商売柄(?)タイトルの訳がどうも気になる。本公演でのタイトルは《マクロプロス家の事(こと)》だが、たしかにそういう意味だとしても、この「事(こと)」というのが、いかにも座りがわるい。「秘事」もどうかと思うが、既訳の《マクロプロス事件》ではダメなのだろうか。「~の~」というのはタイトルとして冗長にみえるのだ。
さらに演出について。こういうオペラにはオーソドックスな演出が適しているという意見もあるだろうが、歌うだけで精一杯、予算も一杯一杯で、奇抜な演出や舞台装置は必然的に不可能だっただけのハナシではなかろうか。
先日のミュンヘンで行なわれた《ヴォツェック》の新製作プレミエは、写真やビデオを見る限り度肝を抜くような演出と舞台で大喝采だった(指揮のケント・ナガノはカーテンコールでは裸足でズボンを捲り上げて登場したとか)ようだが、今回のプログラムで紹介されていたドイツのシュトゥットガルト(04年)やハノーファー(05年)で行なわれたような奇抜な演出による「マクロプロス」を観たいとつくづく思った。
by ka2ka55 | 2008-11-21 12:34 | 音楽