Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

観劇!

このところ自転車はもちろん最低限の外出もままらないハードな仕事の日々なのだが、何が何でも行くと決めていたイタリア・スポレート歌劇場の『セビリアの理髪師』を観て来た。

イタリア・スポレート歌劇場 日本公演
ロッシーニ《セビリアの理髪師》
主催:(財)相模原市民文化財団/コンツェルト・ハウス・ジャパン/
2007年7月3日(水)18時30分開演 グリーンホール相模大野
S席/A席
同行者2名
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プログラム(1500円、左)とキャストリスト(右)

ほとんど徹夜明けの状態で1時間足らずの昼寝しかできず、体調は万全ではなかったが、そんな眠気も何もかも吹き飛んでしまう楽しさ満点の公演だった。
当初、気になっていたキャストだが、ロジーナ役(フェデリーカ・カルネヴァーレ)以外は、先日の朝●夕刊評のキャストとほぼ同じだったようだ。とくに同評のアルマヴィーヴァ伯爵役のジャンルーカ・ボッキーノに関する以下の評はなかなか的を射ており大いに納得した。
 アルマヴィーヴァ伯爵役のジャンルーカ・ボッキーノは、「ローエングリン」にまで出演したというキャリアが信じがたいブッフォ的なテノールで、技術的にも未熟。しかしそのへなへなとした愛嬌ある二枚目役作りが、特に第2幕でいつの間にか妙に愛すべきものに変容してくるから不思議だ。トータルな舞台魔術、これこそ芝居の極意、オペラの至芸だろう。
(長木誠司・音楽評論家)
それにしても、オペラ歌手も体力がないと務まらないね。『セビリアの理髪師』の場合、2幕で2時間20分の演奏時間だが、伯爵役(テノール)は最初から最後までほぼ出っぱなしの歌いっぱなし。大団円の直前に7分以上のいわゆる大アリア(Cessa di piu resistere)があるが、これは一部または全部がカットされてしまう場合が多いらしい。それほどハードな役なのかもしれない。
今回も多少カットされていたのかもしれないが、それでも頑張って歌っていたと思う。もっとも、けっしてこの大アリアだけが聴きどろころというわけではない。とにかく最初から最後まで音楽が最高にいい。まさに音楽。ベートーベンが脱帽しただけのことはある。
今回は「引越公演」ということもあり、あまり大掛かりな舞台設定は無理なんだろうけど、むしろそれがよかったのかもしれない。演出も含めてシンプルでわかりやすかった。
by ka2ka55 | 2007-07-04 02:08 | 音楽