ムラヴィンスキー
完全主義者の典型というべきか、その徹底ぶりは半端じゃない。
以下は日本版Wikiに紹介されているリハーサルのエピソードとして有名らしいが、番組の中でも紹介されており、思わず唸ったというか、笑ってしまったよ。本末転倒を絵に描いたよう。しかし芸術家としては許容されてもマトモなオトナとしては、果たしてどうなのか。
「ムラヴィンスキーはオーケストラのメンバーが完璧だと思っても満足せずに、家でスコア研究をし尽くし、メンバー全員にぎっしりと書き込みで埋まった楽譜を配布した。通しリハーサルの日は何度も何度も繰り返し細かい要求に答えなければならず体力的に厳しかった。忘れられない一日となった。最後の通しリハーサルのときはあまりにも完璧で信じられない演奏となり、そのクライマックスではまるでこの世のものではないような感覚に襲われた。しかし、最も信じ難いことは、ムラヴィンスキーがこの演奏の本番をキャンセルしてしまったことであった。その理由は『通しリハーサルのように本番はうまくいくはずがなく、あのような演奏は二度とできるはずがない』というものであった。」