来年(2017年)4月から5月にかけてイタリア・ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で新制作として上演予定のG.ドニゼッティのオペラ《ランメルモールのルチア(Lucia di Lammermoor)》では1988年生まれ(今年28歳)のソプラノ歌手2人がダブルキャストで題名役のルチアに出演が予定されている。ひとりはナディーヌ・シエラ(Nadine Sierra, 1988-, 米)(左)、もうひとりはズザーナ・マルコワ(Zuzana Marková, 1988-, チェコ)(右)だが、いずれもすでに当ブログで「注目オペラ歌手」として取り上げている。
同じ年齢のソプラノがキャスティングされるのは偶々なのかどうかは不明だが、シエラとマルコワのそれぞれの過去の出演歴を見ると、ルチア以外の役ではほとんど重なっていないことがわかる。つまり同じソプラノでもタイプが微妙に違うのかもしれない。ただ、これまでのそれぞれのルチア役を動画で見る限りでは、マルコワのほうが適役に見えるのは気のせいか。とくに(すでに前の記事で紹介した)フランスのアヴィニョン・オペラ座(Opéra Grand Avignon)で今年4月に上演された《ランメルモールのルチア(Lucia di Lammermoor)》に代役としてルチア役で出演した際の映像(全曲版)が大いに参考になる(下記参照)。演出や共演者によって印象は大きく変わる可能性もあるが、歌唱力・演技力・容姿を含めて若手の中では現時点で最高のルチアではなかろうか。