生白鳥現る
ところで、ローエングリンといえば小舟を白鳥に曳かせて登場する白鳥の騎士。その登場シーンをどのように演出するかがひとつの注目点でもあるが、現在ドイツのフライブルク劇場(Theater Freiburg)で上演されている《ローエングリン》(1月21日(土)プルミエ)では本物の生きた白鳥を登場させているようである。Badische Zeitungの28日付の記事(タイトル:Lebender Schwan fliegt bei Wagner-Oper "Lohengrin" in den Orchestergraben)によると、26日(木)の公演では白鳥は舞台から飛び立ってオーケストラ席(ピット)に舞い降りたとのこと。
記事を読むと、どうやら白鳥を登場させたのは第1幕ではなく第3幕のようだ。そして、飛び立ってオケピットに舞い降りたのは、あくまでもハプニングであって、けっして演出ではない。
白鳥はスカペッティ(Scapetti)という名前の1歳のオス(♂)らしく、舞台には調教師(上の写真で白鳥の真後ろに立っている女性(Tatjana Zimek))も「助演」として参加させて万全の態勢で臨み初日は当初の演出を成功させたが、2回目でハプニングが起こってしまった。
ドイツでは演出家が絶対的と言われるが、本公演も演出家(Frank Hilbrich)の演出意図(コダワリ)で生きた白鳥を登場させることは絶対に必要らしく、ぬいぐるみ(Stofftier)では絶対ダメなのだとか。