Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

Der Klang der Stille

映画『卒業』(原題:The Graduate)のラストシーンに流れる曲として有名な"The sound of silence"(邦題:サウンド・オブ・サイレンス)。この歌詞を改めて見てみると、けっしてラブソングの類ではなく、一見、意味不明ながらもきわめてメッセージ性の強い内容であることに今更ながら気づいた(遅すぎるぞ)。ネットを検索してみると、いくつもの訳詞や解釈が見つかるが、どれも決定打に欠ける。最大のポイントであるタイトルにしても"silence"の訳として「静寂」「沈黙」「無音」「無言」などが考えられるが、原題をカタカナで表記した邦題は正解だったのかもしれない。ちなみにドイツ語では"Der Klang der Stille"(デア・クラング・デア・シュティレ)と訳される。以下、最初の一小節のみ英日独の順(日本語訳は「Lyrics - 訳詩の世界」、ドイツ語訳は"songtexte.com"より)。
Hello darkness, my old friend,
こんにちは暗闇君 君は古くからの友達だね
Hallo Dunkelheit, mein alter Freund.

I've come to talk with you again,
また君と話しに来たよ
Ich kam um mal wieder mit dir zu sprechen,

Because a vision softly creeping,
幻がそっと忍び込んできて
denn eine leise schleichende Vision hinterliess

Left its seeds while I was sleeping,
僕が寝ている間に種を残していった
ihre Samen während ich schlief.

And the vision that was planted in my brain
そして僕の頭の中に植えつけられた幻は
Und diese Vision, die in mein Hirn gepflanzt wurde,

Still remains
まだ残っているんだ
ist noch immer

Within the sound of silence.
静けさが響く中に
im Klang der Stille.



それにしてもこの映画、44年前(1967年)に制作とはとても思えない。いまでも違和感なく見られ最後のシーンは何度見ても感動的。間違いなく映画史上に残る名ラストシーンであろう。当時、エレーン役のキャサリン・ロス(1940-)は27歳、ベンジャミン役のダスティン・ホフマン(1937-)は30歳だった。それぞれの現在の年齢は単純な足し算で明らか。とくにキャサリン・ロスの画像検索は敢えてやめておくことにする。
by ka2ka55 | 2011-08-05 21:44 | 音楽