波斯菊
ハルシャギク Coreopsis tinctoria (キク科 ハルシャギク属)「ハルシャ」は「波斯」と書き、これは「ペルシャ」のことらしい。「春車菊」とも書くというが、これでは湯桶読みだろう。異名の「蛇の目菊」はむしろわかりやすい。ちなみに属名"Coreopsis"のドイツ名は"Mädchenaugen"つまり「少女の目」である。
ハルシャギクは北米西部原産の帰化植物。明治の初期に観賞用に導入された一年草。荒地・路傍に野生化している。ロゼットで越冬し、高さ1m程度になる。全体無毛で葉は対生し、葉は2回羽状複葉で細く、コスモスに似ている。花は6月に咲き、舌状花は先端側が黄色で基部が紫紅褐色。蛇の目模様に見えることから、ジャノメギクの異名を持つ。開いたばかりの花は花弁が平開しているが、次第に花弁が下に下がりってくる。花弁が下がった状態の花は、まさに蛇の目傘である。
気になるのは、この花も例のキショウブと同様、「要注意外来生物」ではないかということ。現時点ではリストには掲載されていないようだが、近系のオオキンケイギクは特定外来生物に指定され「強靱な性質のため全国的に野生化し、河川敷や道路にしばしば大群落をつくっており、在来生態系への影響が危惧されている」とある。