Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

<   2012年 04月 ( 32 )   > この月の画像一覧

食べられる象牙

すべて直訳だが、ドイツ語圏では「食べられる象牙」(essbares Elfenbein)、「王様の野菜」(Königliches Gemüse)、「棒状の春風」(Frühlingsluft in Stangen)などと呼ばれるアスパラガス(とくにホワイトアスパラガス)は、4月中下旬から6月24日までの期間が「旬」として収穫されて食される。なぜ「6月24日」なのか。この日はキリスト教の世界ではイエス・キリストの半年前に生まれたとされる洗礼者ヨハネの聖名祝日(キリスト教における聖人の記憶日(誕生日))つまり「聖ヨハネの日」(Johannistag)で祭日となっている。それと関係あることは間違いないが、おそらく季節的には冬至の頃(クリスマス)に対する夏至の頃(聖ヨハネの日)に因むもの(でっち上げられたもの)であろう。ちなみに6月24日は「アスパラガスの大晦日」(Spargelsilvester)とも呼ばれるそうである。やれやれ。



たまにはこんな料理を作って食べてみたいものだが、簡単そうに見えて意外と手間がかかりそうだ。とくに、オランデーズソース(Hollandaise)が難しそう。また、付け合せに使用される"Pfifferlingen"は日本では「アンズタケ」、フランスでは「ジロール」と呼ばれる高級キノコでホワイトアスパラもそうだが、これも高そうだ。
by ka2ka55 | 2012-04-30 23:16 | Comments(2)

矢鱈と猫

本日は多摩川の川原で今年初めてオオヨシキリの囀りを聞いた(ココによると数日前に飛来していたようだ)。一瞬、姿も確認できたが、残念ながら証拠写真は撮れず。どうも本日は鳥運がなく、こういう日は矢鱈と猫に遭遇する。
d0103632_0464758.jpg
d0103632_047365.jpg
d0103632_0471879.jpg
d0103632_0473080.jpg

by ka2ka55 | 2012-04-29 23:43 | 自然 | Comments(0)

初撮り

d0103632_20495116.jpg
声(囀り)はよく聞こえるけれども姿が見つけにくいウグイスを初めて撮ることができた。やや逆光のため残念ながら色などは不鮮明ではあるが、まずまずの構図。こちらに気づいているようにも見える一瞬である(800mm相当、1/250秒、f/5.6、ISO250、15:26撮影)。
by ka2ka55 | 2012-04-28 21:03 | 自然 | Comments(0)

オマージュ?

昨日、借りていた本を返しに行った図書館で小学館『世界美術大全集西洋編』-第17巻バロック2-を見ていて、このところ関心のある「17世紀オランダ絵画」に関する興味深い記述(pp.399-406)があったのでコピーをとってきた(借りてくるには、あまりに大きすぎて重すぎる)。以下、399頁からの引用(執筆は高橋達史)。
例えばドイツ印象派の画家マックス・リーバーマン(1847~1935)はこう述べている。「うまく描けたアスパラガスは、下手に描かれた聖母にまさる」。これに呼応するかのようにエドゥアール・マネ(1832~1883)も,静物画で扱われるモティーフの中でも最も価値がなく,美とも無縁だと思われていたアスパラガスの束だけを描いた野心作を晩年に発表している。
17世紀オランダ絵画とは無縁のような記述だが、これには若干の補足が必要かもしれない。まず、「アスパラガスの束だけを描いた」のはけっしてマネが最初ではなかったということ。
d0103632_1282456.jpg
(左)アドリアーン・コールテ(Adriaen Coorte,1665-1707)作「アスパラガスのある静物」(Still-Life with Asparagus)
1697年 油彩 紙 パネル 25×21 cm/アムステルダム国立美術館(アムステルダム)所蔵
(右)エドゥアール・マネ(Édouard Manet,1832-1883)作「アスパラガスの束」(Bunch of Asparagus)
1880年 油彩 カンヴァス 46×55 cm/ヴァルラフ・リヒャルツ美術館(独ケルン)所蔵

つまりマネよりも約200年も前にオランダ人のコールテが「アスパラガスの束だけ」を描いているのである。これに関して、『食べる西洋美術史』の宮下氏は、オランダの静物画に親しんだマネが描いたアスパラガスの束は「アドリアン・コールトの静物画へのオマージュと見ることのできる」と指摘している(p.177)。「オマージュ」とは実にエレガントな表現であるが、マネだけに〇〇たとは(恥ずかしくて)口が裂けても言えないだろう。
冗談はともかく、コールテはこれ以外にも数点アスパラガスを描いていて、なぜかこの野菜が相当にお気に入りだったようである。そして、このアスパラガスへの「偏愛」ぶりについて、同作品を所蔵しているアムステルダム国立美術館のサイトに掲載されている解説が実に興味深い。これは高橋氏も宮下氏も指摘していないことだが……そう、アスパラガスを見て、センスのある人(もしくは助平な人)であれば、すぐに気づくことであるが、念のために、その解説文の一部を(一部の単語を除き、やさしい英文なので原文のまま)引用しておく。
Adriaen Coorte (active in Middelburg, Zeeland) painted asparagus several times. The reason for this eccentric choice was the seventeenth-century predilection for sexual symbolism. The shape of the asparagus is, after all, phallic. Asparagus were also considered to have aphrodisiac qualities.

by ka2ka55 | 2012-04-27 23:59 | 美術 | Comments(0)

本日の絵くらべ

以下の2作品、どちらも同じ画家によって描かれた作品と言われても、納得してしまいそうだが……果たして……
d0103632_1842815.jpg
(左)ハブリエル・メツー(メチュ)(Gabriel Metsu, 1629-1667)作「手紙を読む女」(Woman Reading a Letter)
1666/67年 油彩 板 52.5×40.2 cm/アイルランド国立美術館(ダブリン)所蔵
(右)ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer,1632-1675)作「恋文」(The Love Letter)
1669-71年 油彩 カンヴァス 44×38.5 cm/アムステルダム国立美術館(アムステルダム)所蔵

メツーはフェルメールの異名で実は同一人物……というのは真っ赤なウソ。しかし、前回の「肖像」ほどではないにせよ、そんなウソをついてみたくなるほど瓜二つの作品と言えなくもない。それぞれの制作年については資料によって多少のばらつきがあるものの、左のメツーの作品が右のフェルメールの作品よりも先だったことだけは間違いない。つまりどちらかがどちらかを「真似」て描いたとすれば、「真似」たのはフェルメールのほうであって、その逆は考えられない。実際に、フェルメールはメツーのこの作品以外にも構図などの点で、やはり同時代のピーテル・デ・ホーホ(1629-1684)の『男と女と鸚鵡』(Couple with Parrot)などを(鸚鵡だけに?)「真似」たことが指摘されている。まあ、「真似」たかどうかはともかく、少なくとも『恋文』に関しては、フェルメールの作品の独創性はほとんどゼロに等しく、今日では、さしづめ「盗作」のレベルと言えるかもしれない。
興味深いのは、17世紀オランダ絵画のいわゆる風俗画のジャンルの中では、19世紀まではメツーのほうがフェルメールよりもはるかに有名であり、フェルメールの作品がメツーの作品として市場で取引されることもあったほどだということ(関連記事)。いまでこそ、フェルメールの独り勝ちの感が否めないが、これも謎といえば謎である。
by ka2ka55 | 2012-04-26 22:33 | 美術 | Comments(0)

翻訳メモ: Übertitel

考えてみると「字幕」というのはヘンな/便利な日本語のように思えるが、これをドイツ語では普通"Untertitel"(英語の"subtitle"に対応)と言う。"Unter-"は"sub-"と同様の意味があるので、映像などでは画面の下に訳文が表示されるシステムに合致した表現と言えるだろう。
一方、ドイツ語には"Übertitel"という語が存在し、これは一般の独和辞典(または独独辞典)には出ていない。
"Über-"は"Unter-"の逆の意味と言ってよく、つまり"Übertitel"とは"supertitle"のこと。
日本の劇場ではオペラなどの字幕は、舞台の両側に設置された縦長のスクリーンに表示されるのが一般的だが、たとえばドイツの劇場ではこのスクリーン(横長)が舞台の上方に取付けられている場合がほとんどで(写真参照)、このスクリーンに表示される字幕を"Übertitel(ユーバーティーテル)"つまり「スーパータイトル」(上部字幕)と言う。英語では"surtitle"とも言うが、これは"Canadian Opera Company"の商標(trademark)らしい。
d0103632_10231851.jpg
約2年前(2010-06-04)に訪れたハンブルク州立歌劇場の例(上の白い部分がスクリーン)

by ka2ka55 | 2012-04-25 10:28 | 翻訳 | Comments(0)

昨夜のアンコール

d0103632_074382.jpg
デジレ・ランカトーレ&セルソ・アルベロ
(デュオ・リサイタル)
ピアノ:アントニーナ・グリマウド
2012年4月24日(火)19時開演
東京オペラシティコンサートホール
タケミツメモリアル
http://www.tokyopromusica.jp/concert/desiree.html

by ka2ka55 | 2012-04-25 00:08 | 音楽 | Comments(0)

コンヴィチュニー健在なり

久しぶりにP.コンヴィチュニーの記事(墺KURIER紙22日付)が目に留まった。本日(24日)ウィーン国立歌劇場で約7年ぶりに再演される《ドン・カルロス》(5幕フランス語版)の公演を前にしてのインタビュー記事
Peter Konwitschny über seinen "Don Carlos"
Peter Konwitschny studiert für die Wiederaufnahme Verdis "Don Carlos" neu ein. Ein Gespräch mit dem Regisseur.
LETZTES UPDATE AM 22.04.2012, 16:27
7年前の公演はDVDにもなっていて一部はYTにも上っているが、一見してコンヴィチュニーの演出とわかるような「一大パフォーマンス」が展開されている。「火種」(Stein des Anstoßes)となっている「バレエの場面」(Ballettszene)というのは、コレのことらしい。なるほど、こんなの見せられたら中には怒りだす客もいるだろう。かつて《アイーダ》の公演では客からトマトを投げつけられたこともあるようだが、そうした仕打ちに本人は意外にも傷ついたらしい(いつもカーテンコールでのブーイングも「偽客(サクラ)」がやっているとばかり思っていた)。
しかし、昨年末の病気療養説やその後の辞任劇などネガティブな報道(関連記事)が続いた後だけに、健在ぶりを示す今回の記事は喜ばしい限り。演劇界への復帰(Rückkehr zum Sprechtheater)の一環として「ファウスト」のI部とII部を一晩で上演とか、マーリス・ペーターゼンがヴィオレッタ役のあの《椿姫》のウィーンでの再演とか。
by ka2ka55 | 2012-04-24 03:04 | ニュース | Comments(0)

RE:ごしきひわ(2)

しつこく「ごしきひわ」がらみの美術鑑賞。間違い探し……ではない。
d0103632_18153225.jpg
(左)ニコラ・ド・ラルジリエール作「幼い貴族の肖像」(Portrait of a Young Nobleman)
1714年頃 油彩・カンヴァス 65×53 cm/国立西洋美術館(上野)所蔵(常設展で展示中)
(右)ニコラ・ド・ラルジリエール作「仮装服の少年の肖像」(Portrait of a Boy in Fancy Dress)
1710-1714年 油彩・カンヴァス 146×112 cm/J・ポール・ゲティ美術館(米加州ロサンゼルス)所蔵
d0103632_18154494.jpg
ごしきひわ(goldfinch)が描き込まれた聖母子画で日本の美術館が所蔵している作品はないものかと検索してみると、残念ながら聖母子画ではないが、間違いなくこの鳥が描かれている左の作品がヒットした。作者のニコラ・ド・ラルジリエール(Nicolas de Largillière,1656-1746)はパリ生まれのフランス人で「17世紀後期から18世紀中期までのルイ14世、15世統治下のフランスで活躍した肖像画家」とのこと(参考記事)。
ただ興味深いのは、「本作品には寸法を縦横およそ2倍にした異作がある(ポール・ゲッティ美術館)」という作品解説の記述。たしかに調べてみると、一見、同一にしか見えない右の作品の存在が確認された。実際には左は15号、右は80号でサイズの違いは明らかで実物を並べれば「別物」に違いないのだろうが、それにしても、なぜ同じ絵を違うサイズで描いたのだろうか。あるいは、どちらかが別人による模写の可能性はないのだろうか。ちょっとした謎である。
by ka2ka55 | 2012-04-23 18:16 | 美術 | Comments(0)

イコノクラスムにあらず

イタリアの美術館、資金難を訴え美術品燃やす」の記事が目に留まり、一瞬ギョッとなったが……そのソースの記事写真を見て、思わず納得してしまった。
イタリアの美術館」と言っても、この場合、「現代美術館」(Contemporary Art Museum)である点に要注意である。

関連記事:
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2872263/8805194?ctm_campaign=txt_topics
by ka2ka55 | 2012-04-22 17:17 | ニュース | Comments(0)