Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

釣魚:アユとオイカワをめぐるあれこれ(1)

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私がいま近所の多摩川中流域(内共12号区=下記参照)で釣りの対象にしているのは主にアユ(左=6/7の釣果)とオイカワ(右=6/9の釣果)ですが、写真でもわかるように体長は両方とも13cm前後で色以外ではそれほどの違いはないように見えるものの、実際にはまったく異なる種類の魚でして、分類学上、アユは「サケ目」、オイカワは「コイ目」に属します。たとえば、上の写真からわかるように、両者の外見上の特徴的な違いの1つは、背鰭(びれ)と尾鰭との間の脂鰭の有無のようです。とはいえ、オイカワ用の仕掛け(エサ釣り)でアユが釣れることもありますし、アユ用の仕掛け(毛鉤)でオイカワが釣れることもあるため、食性が近いことは間違いなさそうです。
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しかし、興味深いのは、やはりアユの習性もしくは生態です。「サケ目」つまり渓流に棲むイワナやヤマメと同じ仲間ではありますが、「キュウリウオ亜目アユ科」に属するのはアユ一種のみであるという点からもユニークです(ちなみに霊長類に属するもヒトもたった一種の生物)。そこで少し検索してみると、「謎に満ちた鮎の生態」と題する興味深い記事が見つかりました。
釣りの点から特に興味深いのは、食性に関するくだりです。(下線はブログ主)
アユは成長して草食系の魚類になります。
 春になって川の温度が10℃前後に暖まると、5~6cmに育ったアユの稚魚が川を遡上しはじめます。
サケと違うのは母川回帰をしません。 その時に一番条件の良い川を選んで遡上を始めるそうです。
とは云っても、秋に下った河口から そう遠くまで回遊しないようですから、ほとんどが生まれた川に帰るのでしょう。
 アユは藻類を食べてあの独特の香りを放つと思われていますが、これは間違いです。
海から登る稚魚はすでに香魚、あの果実を思わせる香りを放っているのです。 田子泰彦先生によれば、富山の庄川はその昔、遡上する稚魚の群れで川面からアユ の香が匂い立ったそうです。
 ところで海から川に登る前に、アユは変態をします。魚類の成長変化にも変態という言葉は使われます。
海の中で体長が35mm前後に成長するとシラス型からアユらしい姿に変わります。 海で動物性プランクトンを食べていたシラス型(ちりめんじゃこ状態で半透明の細長い体形)から、石に生える藻類を食べるアユの姿に変態するのです。 特に歯の変化が著しく、上下の歯が櫛状に変わり、藻類をはぎ取って食べやすい独特の口にかわります。
 つまり、アユは肉食系から草食系の魚類へと成長するわけです。
遡上して成長するアユが藻類を主食としていることはよく知られており、「香魚」とも表記されるアユの香りは食べているその藻類に由来するものとばかり思っていましたが、間違いなのですね。また、肉食系から草食系に「変態」するにもかかわらずナワバリを作って獰猛になるというのも謎ではありますが、けっして理解できない話でもありません。いずれにせよ、このようにユニークなアユを釣るには必然的にユニークな釣り方が求められるわけでして、アユ釣りでは最も一般的であり最もユニークな「友釣り」はまさにアユに特化された釣法と言えるでしょう。
ただし、アユのすべてがナワバリを作って藻類だけを食べているというわけでもなく、その証拠に、アユのエサ釣りで使用されるのはシラスやイカだったりしますし、水中昆虫に似せて作られた毛鉤などでも釣れるわけです。
私が現在アユ釣りで主に使用しているのは、あまり一般的ではない「チンチン釣り」と呼ばれる毛鉤を使用した釣法なのですが、これについてはあらためて記事にすることにします。
ところで、アユとオイカワの雌雄の見分け方に関して、オイカワについては婚姻色が出ればオスであることは一目瞭然ですが、アユについては尻ビレの形が異なるので、それで見分けられるようです(下記参照)。しかし、これまで釣った数十尾のアユに関する限り圧倒的にメスが多いようです。
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by ka2ka55 | 2018-06-16 06:00 | 釣魚