Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

G.F.ヘンデルのオペラ《アルミーラ(Almira)》(HWV 1)を観たい/聴きたい/知りたい人のために

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Händel, 1685年2月23日 - 1759年4月14日)が作曲したオペラは42曲。このうち《アルミーラ(Almira)》―オリジナルタイトルは"Der in Khronen erlangte Glücks-Wechsel, oder: Almira, Königin von Castilien"(王冠とともに達成された運命の移り変わり、または:カスティリアの女王アルミーラ)―は作品番号の「HWV 1」からもわかるように、ヘンデルが19歳で初めて作曲したオペラであり、初演は「1705年1月8日ハンブルク・ゲンゼマルクト劇場」とあるので、初演時の年齢も辛うじて20歳前ということになる。ちなみにR.ワーグナー(1813-1873)も19歳で初めてのオペラ《婚礼(Die Hochzeit)》(1832年)を作曲(未完のまま破棄)しているが、12歳でオペラを初めて作曲したモーツァルトは別格としても十代でオペラを作曲するというのは、やはり異例(『天才』の証)と言えるかもしれない。
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ところで、今回、数あるヘンデルのオペラの中で、なぜ同オペラを取り上げたかというと、19歳で初めて作曲・初演されたということもさることながら、ヘンデルのオペラの中では珍しく台本(リブレット)がドイツ語で書かれていることもその理由のひとつ。正確には、もともとイタリア語の台本をドイツ語に翻訳したようだが、アリアの一部はイタリア語のままであるため、原語はドイツ語とイタリア語の混合版となっている。同オペラの後、1708年までにハンブルクで上演されたオペラ3曲も台本は同様の混合版だったようだが、いずれも紛失してしまっているため、《アルミーラ》が唯一現存し、現在でも上演されるヘンデルの「ドイツ語オペラ」と言える。ちなみにWikiの記事によると、形式(Form)は「初期ドイツバロックオペラ(frühe deutsche Barockoper)」と書かれている。
さすがのヘンデルといえども19歳での作曲では成功しなかったのではと思いきや、約1カ月半(1/8~2/25)の間に約20回も上演されて「めざましい成功(ein durchschlagender Erfolg)」を収めたらしいので、やはりさすがにヘンデルと言うべきか。

▼登場人物
・アルミーラ(Almira)、カスティリアの女王で密かにフェルナンドに恋をしている(ソプラノ)
・エディリア(Edilia)、王女(ソプラノ)
・コンサルヴォ(Consalvo)、セゴビアの領主でアルミーラの後見人(バス)
・オスマン(Osman)、コンサルヴォの息子(テノール)
・フェルナンド(Fernando)、捨て子でアルミーラの秘書(テノール)
・レイモンド(Raymondo)、モーリタニアの王(バス)
・ベランテ(Bellante)、アランダの王女(ソプラノ)
・タバルコ(Tabarco)、フェルナンドの召使(バス)

▼あらすじ
・第一幕(Erster Akt
・第二幕(Zweiter Akt
・第三幕(Dritter Akt

▼参考CD(Georg Friedrich Händel: Almira
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▼全曲(音源のみ)




▼参考動画


Aria
Edilia
Proverai di che fiere saette s’armi l’ira di donna tradita. Come far sa’ ben tasto vendetta, nobiltà, che si vede schernita.



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by ka2ka55 | 2016-07-09 12:17 | オペラ