Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

気になるオペラ演出(33)椿姫(La traviata)@リンツ(15年9月19日プルミエ)他(演出: R. ウィルソン)

▼演出: ロバート・ウィルソン(Robert Wilson, 1941-, 米)HP
Wikiには"experimental theater stage director"(実験的劇場演出家)とあるが、単なる演出家ではなく、振付師、画家、彫刻家、ビデオアーチスト、音響・照明デザイナーなどとしても関わる相当に広範囲に及ぶ仕事をしているようである。とくに知られているのは、作曲家フィリップ・グラス(Philip Glass, 1937-)との「共同」制作としての《海辺のアインシュタイン(Einstein on the Beach)》(1976年7月26日仏アヴィニョン初演)の演出。これは、まず演出家のウィルソン氏が描いたスケッチを見ながらグラス氏が作曲したという、まさに実験的な作品で「オペラ」でありながらストーリーはなく、歌詞もないという。これまでに何度も各国(NYや東京(1992年)を含む)で上演されているが、2012年春から今年(2015年)秋にかけて国際ツアーが実施されているようである(最終公演地は韓国?)。そのトレイラー(下記参照)を見ると、たしかにオペラというよりバレエ(もしくはコンテンポラリー・ダンス)に近いものを感じる。


▼しかし、個人的に同氏の演出で印象的なのは、2009年12月にミラノ・スカラ座で上演され、たしか日本でも放映されたモンテヴェルディのオペラ《オルフェオ(L'Orfeo)》の演出(下記動画参照)。セットや衣装さらにはメイクを含めて瞠目すべきプロダクション。



▼「ミニマリズム」と言ってしまえば身も蓋もないが、この独特の雰囲気は他のいくつかのプロダクションにも共通するもので、たとえば《蝶々夫人(Madama Butterfly》(プルミエ=1993年11月パリ)についても言える(下記動画参照)。


▼そして、墺リンツ州立劇場における来シーズン(15/16)の開幕公演で上演される《椿姫(La traviata)》を演出(舞台装置と照明を含む)することになっている。果たして、どんな舞台になるのか気になるところ。また、同公演では公演回数が多いせいか、主役級はダブルキャストになっているが、タイトルロール(つまりヴィオレッタ)には、同劇場専属の2人のアジア人(韓国人/日本人)ソプラノ(Myung Joo Lee / Mari Moriya)がキャスティングされている。とくに韓国人ソプラノはいわばワールドクラスと言っても過言ではないかもしれない(下記動画参照)。


by ka2ka55 | 2015-06-23 18:11 | オペラ | Comments(0)