Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

動画: G.F. ヘンデル作曲オラトリオ《テオドーラ(Theodora)》全曲版を観る

▼ザルツブルク音楽祭版(2009年8月収録)/演出: クリストフ・ロイ/指揮: アイヴァー・ボルトン


▼参考(HMVレビュー
『テオドーラ』は、ヘンデルの晩年、1749年に作曲された英語のオラトリオで、1759年に亡くなったヘンデルのオリジナルの声楽大作としては『イェフタ』の一つ前に位置する作品です。
 物語は、4世紀初頭のエジプト、アレキサンドリアにいたとされるキリスト教徒テオドーラの殉教の伝説。時はローマ帝国皇帝ディオクレティアヌスの治世、増大する一方のキリスト教徒に手を焼いた皇帝は、キリスト教徒を迫害する一方、ローマ人の繁栄のため婦女には出産を義務付け、反したら罰則の政策を取っていた。ローマ人貴族の血を引くテオドーラは、キリスト教に改宗し、信仰に生きるため結婚もせず処女を通していた。やがてテオドーラにも弾圧の手が及び、彼女は罰として売春宿に送られる。ところが、やはりキリスト教に改宗した兵士ディディムスが彼女を救いに現れ、衣装を交換して彼女を逃がしてやる。しかし今度はディディムスが死刑を宣告されてしまい、それを知ったテオドーラは、ディディムスと共に処刑されることを選ぶ、というもの。ヘンデルのオラトリオもほぼこの流れに沿っています。当時のオペラ、オラトリオではハッピーエンドがお約束だったのにもかかわらず、『テオドーラ』では二人が処刑へ引っ立てられるという悲劇的結末になっているのが大きな特徴です。しかしその新機軸が仇となって、1750 年3月16日の初演は失敗に終わってしまいました。今日では、ヘンデル晩年の意欲作としてむしろ高い評価を得ています。
 ここに収録されている2009年のザルツブルク音楽祭での上演は、クリストフ・ロイの演出によるもの。背景に巨大なパイプオルガンを据え、人々は基本的に黒い簡素な衣装で、売春宿送りにされたテオドーラだけ赤いドレス。この簡素な舞台作りによって、殉教へと向かう弾圧を受ける者の悲しみが静かに広がる、印象的な舞台になっています。
 歌手では、テオドーラを歌うクリスティーネ・シェーファーの集中力のある歌と、いまやトップ・カウンターテノールとして大人気のベジュン・メータのディディムスが絶賛されました。また、テオドーラのキリスト教徒仲間アイリーンがベルナルダ・フィンクというのは贅沢な配役です。アイヴァー・ボルトン指揮のフライブルク・バロックオーケストラは、演出の方向性にあわせた抑えの効いた透明な音楽作りで、感動を守り立てています。
 晩年のヘンデルの意欲作を、ぜひ鮮明画像でお楽しみください!(キングインターナショナル)


▼グラインドボーン音楽祭版(1996年6月15日収録)/演出: ピーター・セラーズ/指揮: ウィリアム・クリスティ


by ka2ka55 | 2015-04-08 02:08 | オペラ | Comments(0)