Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

RE:オランダ人@初台

すでに5回の公演は20日(火)で終了し、今回は初日(8日(木))を観たためもう印象は薄れているが(早すぎるか?)、いまごろになっていくつかのブログ等の記事を読んで、「なるほど」と思ったり、「うそをつけ」と思ったり。いずれにしても公演としては可もなく不可もなし、ブラボーもブーイングも程々といったところか。ただ個人的には、幸か不幸か同演目をベルリンで最悪の演出で観ていたこともあり、演出に関しては一部で指摘されているほどのダメさは感じなかった。まあ、いい意味で想定外というか。
ただ1つだけ指摘しておくと、今回「合唱(とくに男声)は一貫して迫力があり」と書いた男声合唱に関して、部分的にPA(電気的な拡声)が使用されていたことは明らかなのだが、その理由については、合唱指揮のM氏のブログの記事(「新国立劇場のPA」)が興味深い。オペラ公演でPAが使用されると非常に違和感があるのは事実だが、今回の「オランダ人」には使用する正当な理由があることがわかる。以下、一部を引用。
 誓って言うが、少なくとも「さまよえるオランダ人」に関して、舞台上の全ての歌手及びオーケストラ・ピット内のオケの音は、決してマイクで拾って増幅させてはいない。「オペラは基本的に生の声と生音のオーケストラで演奏するもの」という大原則は、この劇場では徹底して貫かれている。

 ただ、裏コーラスの場合は例外である。特に第3幕「幽霊船の合唱」は、紛れもなくPA音である。しかも、舞台裏で誰かが歌っているのではなく、あらかじめ録音されたものを流しているのである。だって、「幽霊船の合唱」の陰コーラスのために、この作品の見せ場である「水夫の合唱」のメンバーを削るわけにはいかないのである。舞台上では、男声合唱団員50名が全員出演して、録音された同じ50名による「幽霊船の合唱」に反応しながら歌っている。
このあと、この合唱のために相当に複雑な作業をしていることが書かれているが、これもその意味では日本人だからこそできる芸当なのかもしれないと思うとともに、こういうのを読むとPA音を「興ざめ」とばっさり切り捨てるには少なからず躊躇いもある。それにしても興味深い記事なので、こういう記事こそプログラムに掲載すればいいのにとも思う。ちなみに今回のプログラムの巻末のインタヴューはM氏である。
by ka2ka55 | 2012-03-28 23:04 | 音楽 | Comments(0)