Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

蝶々夫人とは何か

先週の《コジ・ファン・トゥッテ》に続き同じ劇場で《蝶々夫人》を観た(15日午後2時開演、新国立劇場、2階左B席)。これは再演で一昨年の1月(2009-01-15)にも同じ演出で観ている。プッチーニの中でも苦手中の苦手の演目だが、演出(栗山民也)のほか衣装や美術などのスタッフはすべて日本人が担当していることもあり、その意味では安心して観ていられる。主役級のキャストに関しては前回のほうが良かった印象はあるものの蝶々さんのオルガ・グリャコヴァは歌唱の点で申し分なく、立ち居振る舞いなどの点でも十分に「日本人」を演じていた。公演写真

しかし、こうした日本人にとって(特に視覚的に)安心して観ていられる《蝶々夫人》の演出は世界的には稀有かもしれない。たとえば、ドイツのエッセンで上演中(今年4月プルミエ)の"Madama Butterfly"(動画参照)なども、日本では上演できそうにない。舞台設定や衣装等を含めてハチャメチャにしか見えないが、あちら(特にドイツ)ではむしろこうした演出のほうが評価が高いようである(そういえば、劇場ではこんな方もお見かけした)。


by ka2ka55 | 2011-06-15 23:47 | 音楽