Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

RE:Liebestod



コンヴィチュニー演出「トリスタンとイゾルデ」(ミュンヘン、1999年)のラストシーン

このところなぜか気になる「トリイゾ」の終幕シーン。音だけを聴いているとさして気にならないが、そもそもイゾルデはなぜ死んだのか。ホントに死んだのか。もし死んだとすれば、その死因は?
いずれにしても、いわゆる「愛の死」が歌われた後、リブレットのト書き(総譜のテキストにもとづく対訳)の最後には以下のように書かれている。
イゾルデは浄化されたような姿でブランゲーネに抱かれたまま静かにトリスタンの死体の上に倒れかかる。周囲の人々の間に大きな感動と忘我。マルケ王がふたりの遺骸の冥福を祈るうちに、静かに幕。
Isolde sinkt, wie verklärt, in Brangänes Armen sanft auf Tristans Leiche. Rührung und Entrücktheit unter den Umstehenden. Marke segnet die Leichen. Der Vorhang fällt langsam
これまで「トリスタン」は2回の実演(昨年3月のケルンと今年3月のベルリン)の他、DVDやTV録画映像など数種類を観ているが、ラストシーンに関しては、上の動画の(マイヤーの歌はともかく)演出がきわめて興味深い。
いかにもコンヴィチュニーらしい演出といってしまえばそれまでだが、妙な説得力がある。おそらく、「愛の死」を歌う段階でイゾルデはすでに死んでいるのだろう。つまり第3幕第2場でトリスタンとともにイゾルデも(死因はともかく)絶命するのがストーリーとしてはより自然ではなかろうか。
それによって、第3幕第3場はもはやエピローグでしかなくなる。上の動画は、(絶命した)トリスタンとイゾルデが「昼の世界=現世」に別れを告げるように舞台に幕を引くシーンからスタート。そして(現世としての)舞台を下りたイゾルデはいわば「黄泉」から「愛の死」を歌う。歌い終わって幕が再び開くと舞台上に置かれた二つの棺を前にしてマルケ王とブランゲーネが佇んでいる。浄化された(昇天した)イゾルデはトリスタンとともに「夜の世界=来世」で永遠に結ばれるという、いわばハッピーエンドの設定らしい。
by ka2ka55 | 2010-12-11 23:12 | ドイツ語/外国語 | Comments(0)