Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

ホフマン物語@名古屋

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愛知県文化振興事業団第277回公演
あいちトリエンナーレ2010プロデュースオペラ
オッフェンバック(J.Offenbach)作曲ホフマン物語(Les Contes d'Hoffmann)
<プロローグ、エピローグ付き全3幕、仏語上演・字幕付き>
2010(平成22)年9月18日(土)/午後2時開演・5時半終演/愛知県芸術劇場 大ホール/4階右1列B席7K/★★★★☆
キャスト・スタッフ

《ホフマン物語》が名作であることをあらためて実感できたのは、18日の名古屋の公演が期待以上の「名演」だったことと無関係ではない。
《ホフマン物語》といえば、忘れもしない今年3月16日にチューリッヒで観た最悪・最低の公演以来だが、もし何の予備知識もなしにあのチューリッヒの公演を観てしまったら、もう二度と《ホフマン物語》を観ることはないと本気で思えるほど配役も演出も何から何までB級以下の酷さだった(関連記事)。しかし、あれは「悪夢」だったのだと(寛大に)諦めることができるのも今回の公演がすばらしかったからに他ならない。
まず美術(横田あつみ)や衣装(アレッサンドロ・チャンマルーギ)を含めた演出(粟國淳)を称えておきたい。カーテンコールで演出家らも登場したが、ブーイングがなかったことは当然としても、もっとブラボーがかかってもよかったのではないか。しつこいようだが、チューリッヒの演出(アサガロフ)があまりにも酷く、あれと比べればどの演出でもマトモに見えるというレベル以上に優れた演出だったと思う。舞台は全体的に暗めで座った席も遠目だったため詳細(粗)は見えないまでも作品が醸し出す幻想性(もしくは怪しさ)が十二分に伝わってきた。舞台装置や衣装には相当にコストがかかっているように見えた。その意味でも大いにやる気が感じられた。
演奏面では、指揮(アッシャー・フィッシュ)も管弦楽(名古屋フィルハーモニー交響楽団)も申し分なかった。この指揮者はイスラエル人で師匠はバレンボイム。師匠と同様にワーグナーを得意とするとともにピアノの名手でもあるとのこと。
歌唱面に関しては、3つのエピソードのそれぞれのヒロインであるオランピア(幸田浩子(S))、アントニア(砂川涼子(S))、ジュリエッタ(中嶋彰子(S))は、いずれも十分に持ち味を発揮して期待を裏切らない立派な歌唱と演技だった。外題役のホフマン(アルトゥーロ・チャコン=クルス(T))とミューズ/ニクラウス(加賀ひとみ(Ms))がやや力不足の感はあったが、いずれも全幕通じてほぼ出ずっぱりで難役であることは間違いない。難役といえば、4役(リンドルフ、コッペリウス、ミラクル博士、ダベルトゥット)を一人で歌い演じきったバスのカルロ・コロンバーラに対して最も多くのブラボーがかかっていたが、これには大いに納得である。
それにしても、この公演が2回しか行われず、再演の可能性もないというのが、いかにも残念であり、もったいないと思わずにはいられない。もし東京で上演されるとしたら、おそらく(舞台装置の関係上)NNTT以外では上演できないだろう。
by ka2ka55 | 2010-09-20 07:01 | 音楽 | Comments(0)