Das Notizbuch von ka2ka ― ka2kaの雑記帳

羊頭狗肉もしくは金返せ!!

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チューリッヒ歌劇場の広報冊子より

下品なタイトルで失礼。あまり触れたくないことではあるが、今回の観劇旅行中、最も期待していて最も期待が裏切られた公演について少し触れておく。その公演は他でもない初日(16日)にチューリッヒで観た《ホフマン物語(Les Contes d'Hoffmann)》。

《ホフマン物語》が今最も観たい演目である(あった)ことはすでに2月10日付の記事で触れた通りだが、公演当日に劇場で無料配布されていた広報冊子(写真)の表紙を飾っているのが同公演で主役を演じる(リハーサルシーンと思われる)ヴィットリオ・グリゴーロ(ホフマン)とエレナ・モシュク(ヒロイン4役)であることからもわかるように、同劇場としても目玉の公演(今シーズン新制作)と位置づけていたはずである。ところが、プレミエ(13日)直前(24時間前)にモシュクが体調を崩してドクターストップがかかり16日も降板することが(渡欧直前に)判明して大いにがっくり。それだけではない。当初の演出家(Thomas Langhoff )も急病で早々に交代せざるを得なくなり、代わって演出したのが悪名高きアサガロフであることも判明。もうこの段階で、あたしゃ半分諦めていた。それでも今や売れっ子のテノール・グリゴーロのホフマンには一縷の望みをかけていたのだが…

しかし、この(わるく言えば)イタリアのあんちゃん風のテノールには個人的にはあまり魅力を感じない。テノールとしての実力もホントにあるのかどうか。単に見た目のかっこよさのため人気が先行しているだけではなかろうか。したがって、ホフマンという役は感情移入できる数少ないオペラの登場人物なのだが、グリゴーロが演じるホフマンにはまったく感情移入できない。だいいち、台本はフランス語のはずなのだが、イタリア語にしか聞こえない(といってもどちらの言葉もわかるわけではないが)。おそらく演出のせいもあるだろう。とにかくダサくてツマラナイ。しかもホフマンがつねにタバコをふかすシーンなどは不快極まりない演出。

こうなると、すべてネガティブに作用してしまう。モシュクの代役はどうだったか。オランピア役のSen Guoは辛うじて歌えていたが、物足りなさは否めない。しかも中国人。酷かったのはジュリエッタ役のRigi Guy。イスラエル出身(ということはユダヤ人?)らしいが、声量がないうえ、とちってやり直しをする始末でほとんど素人レベル。オハナシニナラナイ。いかに急ごしらえの代役とはいえ、これなら公演が中止になって払い戻しされたほうがはるかによかった。その後の公演はモシュクが復帰したようでもあるので、なおさら。
by ka2ka55 | 2010-03-30 23:06 | 音楽 | Comments(0)